2026年10月15日4min

SMARTな目標設定と相対評価のねじれみたいなもの


人事評価の話。

SMARTな目標設定と相対評価にはねじれみたいなものがあるなーと感じている。特にそれについて解決策があるわけではない。ただ、被評価者として、そういうゲームをプレイしているということを意識しておくのは大事だな、と思ったのでなんとなく文章にしてみてる。

SMARTな目標設定

SMARTな目標設定、みたいなのをよく聞く。以下の頭文字を取ったもので、こういう目標を設定できると目標が明確になって達成確率が上がるよね、というものだ。

  • Specific(具体的)
  • Measurable(計測できる)
  • Achievable(達成できる・無謀でない)
  • Relevant(組織目標などと関連している)
  • Time-bound(期限がある)

人事評価では、たいてい期首に目標設定をする。目標設定もなく、期末に低い評価をつけられても納得感がない。最初に期待値調整をするのは大切だ。

SMARTな目標設定は、客観性が増す。齟齬が起きにくく、達成したかどうかも判断しやすくなる。つまり、期待値を調整しやすくなるし、評価もしやすくなる。なるほど、SMARTな目標設定が推奨されるわけだ。

人事評価はたいてい相対評価

期末の評価について考える。多くの企業では、人事評価は相対評価で行われているはずだ。つまり、部署x等級などの単位で良い評価、普通の評価、悪い評価をつける人の数(割合)がある程度決まっている。

人事評価では、みんな頑張ったから最高評価!みたいな絶対評価はやりにくい。人件費やポストには限りがある。そういうものを調整するためにも、相対評価が適用されるケースが多い。

ちなみに相対評価ですが、会社内の仲間と足を引っ張り合うより、協力して原資を増やそう!のほうが健全ですね。

SMARTな目標を達成したからといって最高評価ではない

人事評価が相対評価である以上、期首に立てたわかりやすい、上長ともアラインしたSMARTな目標を達成したからといって、最高評価になるわけではなくなる。SMARTにより、誰がどう見ても目標を達成していてもである。

評価されるのは達成度ではなく、成果そのものらだからである。同じ等級で10を目標にしていた人の20と、50を目標にしていた人の40を比較したとき、目標は未達だが後者のほうが大きな成果を上げていることになる。どちらかにしか最高評価をあげられないなら後者になるだろう。

現実はもっとわかりにくい。目標も成果も画一的ではないので、会社や評価者の基準に左右するところは多い。目標設定時から状況が変わっていることもある。人事評価のランクが昇格や昇進の条件になっている場合は、それもまた考慮点になる。

目標設定で大切なのは達成ラインではなく方向性

そう考えると、目標設定で達成ラインを頑張って擦り合わせるのはそんなに意味のあることではないように感じられる。達成度よりも成果そのもののほうが評価されやすいはずだ。

となると、期待の方向性を調整するくらいの気持ちで目標設定に臨んだほうが被評価者にとってはよいと思う。変にラインを設けることでそこまでを目指したり、そこで満足したりしてしまう可能性がある。ほんとうはそのライン以上に突き抜けなければ、その先の相対評価で勝てない。

ラインをムーンショットにすればよいのかもしれないが、そうなると次は達成度の観点で心象が悪くなる懸念がよぎる。目標設定自体はAchievableにしつつ、心の中ではムーンショット、みたいなことをしないといけないのだろう。

なんにせよ、ラインは一つの基準として設けてもいいが、そこが最高評価の絶対的なラインではないことは理解しておいたほうがいい。それ以上でも普通の評価なこともあるし、それ以下でも最高評価なこともある。

自分はどんなゲームをプレイしているのかを知る

ここまでの話はあくまで一般的?な話なので、具体的には自社がどんな評価プロセスや基準を持っているのかを知る必要がある。制度として整っていて公開されているケースもあるだろうし、上長に聞いてわかるケース、ゴシップに詳しい人が知っているケースなどいろいろある。

もし、良い評価がほしい、昇給・昇格・昇進したい、というのであれば、ゲームのルールをしっておくのは自分のためになるはず。

被評価者がやれることは上長に武器を授けること

人事評価の結果は、被評価者の課題ではないと考えている。被評価者にはどうしようもないことだ。ニーバーの祈りでいうところの「変えられないものを受け入れる静けさ」が求められる。

代わりに、上長はどうにかできる領域かもしれない。少なくとも自分よりはできる。評価プロセスの中心に自分よりは近い。

マネージャーは基本的に自分の部下に良い評価をゲットしてほしいと考えているはずです。自分と関わる人には幸せになってほしいでしょうし、良い評価を得ている部下が多いということはマネージャーの指示、支援、育成がよいことの表れでもあります。つまり、だいたい味方です。

被評価者ができることは、上長に武器を与えることです。自分に良い評価を与えたいと思っている上長に、自分に良い評価を与えやすくするための理由を手渡すイメージです。アピールするというよりは、こうこうこういう理由で私に高評価つけれますよ、ってスタンスなんだろうなと思っています。アピールだとどうしても自分視点になりがちですが、武器を渡すイメージなら評価者目線で考えられるような気がしています。

まとめ

SMARTな目標設定と相対評価は、少しねじれの関係にあるように思っています。それも含めて、どういうゲームをプレイしているかを知っていることは、人事評価で一喜一憂せず、やるべきことに集中する力になるのかな、なんて思っています。

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