2026年10月28日6min

OKRの要素は1つ1つバラ売りにしても素晴らしいのでは


最近OKRのこと調べているんですが、OKRっていろいろな要素で構成されていて、一気に始まるぞとなると尻込みしちゃうくらいの概念だと思うんですよね。でもその一つ一つの要素は、実は独立もしてて、それが合わさるとすごいパワーを発揮するよね、って感じになっているような気がするので、その一つ一つの要素をまとめてみようかなというポストです。

ObjectivesとKey Results

まずは、ベースの構成要素としてObjectives(O)とKey Results(KR)がある。

Objectivesは目標。定性的な目標。人間の感情に訴えかけるような、「うぉぉぉ!!」となるようなメッセージ。

Objectivesを見てワクワクしないならやり直し。「定性的」というルールは、人間が心からそこに向けて挑戦したいと思えるか、を炙り出してくれる。シンプルだからこそタフクエスチョンだ。

良いObjectivesがあればうまくいくかといえばそんなことはない。自分たちがちゃんとObjectivesに向かって歩みを進めているか、というような「地図」が必要になる。その役目を果たすのがKey Results。

Key Resultsは定量的、客観性のある結果指標。Objectivesに対してKey Resultsを設定することで、Objectivesの解像度を上げ、方向性を共有できる。Key Resultsを観測することで、自分たちの歩みに自信を持って加速したり、方向転換の意思決定を下せる。Key ResultsのおかげでObjectivesが観測可能になるのです。

当然ながら、Key ResultsはObjectivesと繋がっている必要側ある。Key Resultsのいずれかの定量的数値が変化したときに、Objectivesへの距離に変化を感じないなら、そのKey Resultsはいらない。Objectivesへの距離の変化を感じたとき、どのKey Resultsにも変化がないのなら、なにかKey Resultsを可視化できていない。

この定性的なObjectivesと定量的なKey Resultsのセットだけで、かなり強力なのでは?と思っています。まずはここからスタートです。

野心的な目標

OKRは野心的な目標(ストレッチ目標、ムーンショット)を設定せよ、と言われています。これにはいろいろな効果があります。

まず、野心的な目標を立てなければ、ある程度の目標すら達成できる確率が下がります。テストで80点を取るには、80点を目指して勉強するより90点を目指して勉強したほうが取れる確率が高くなりませんか?スポーツの大会でベスト8になるには、ベスト8を目指して練習するよりベスト4を目指して練習したほうが、なれる可能性が高くなりませんか?

野心的な目標は、挑戦です。届くか届かないかのラインで人は成長するらしいです。よく、コンフォートゾーン、ストレッチゾーン、パニックゾーンの話を聞きますよね。目標をストレッチすることで、人やチームの成長にも繋がります。

また、野心的な目標は今までの延長線では届かないものです。そのため、個人にしてもチームにしても、今のやり方をアップグレードしたり、捨てて新しいやり方を見つけなければならない状況になります。進化の時です。野心的な目標がなければ、革新的なよりよいやり方は見つからないとも言えます。

このように、野心的な目標には良い効果がたくさんあります。

目標をストレッチさせるために、OKRの達成度を人事評価に直結させない

OKRの達成度を人事評価に直結させてはならないといわれるのは、ストレッチ目標を立ててもらうためです。目標を達成したら昇給、未達なら減給と言われたら、目標達成に向けて頑張るよりも目標を低く立てるほうに力学が働いてしまいます。

そもそも多くの会社では人事評価は相対評価なので、ストレッチ目標を立てて成果を上げやすい状況をつくったほうがよいのですが、昨今の目標設定を大切にする風潮からも達成できない目標は立てたくないという直感的に思ってしまうのはしょうがないことのように思えます。

SMARTな目標設定と相対評価のねじれみたいなもの | at-blog

OKRをチームや組織に導入する際は、人事評価と直結させない、達成度ではなく成果そのものを見る、ということを徹底し、丁寧に説明していく必要がありますね。

公開する

OKRは公開します。組織図の上下左右どこからでも見えるようにします。これによって生まれるものがいくつもあります。

まずはコミットメントです。「やるぞ!」って感覚ですね。目標は自分の中で温めてもいいですが、公開することで達成しようという心意気がアップすることが多いです。夢は人に言ったほうが叶う、という話を耳にすることもありますね。もちろん、人のOKRを冷笑するような人がいる組織では公開がうまく行くことはないので、まずはそういう文化づくりからにはなります。

次にアラインメントです。公開されていれば、他のチームや上位レイヤーと方向性を合わせることができます。つながりが見えてきます。今、会社はこっちの方向に向かおうとしている、自分たちのチームのミッションはこうだ、ということがわかっていれば、目標を立てやすくなります。自分たちが目標に向かうことが組織にとって有益であることに自信を持って実行できます。自分たちが組織に影響を与えている、与えうる存在であることをしっかりと認識できます。

そしてコラボレーションです。アラインメントとも近いですが、同じ方向を向き、似たような目標を掲げているチームがあれば協力体制を築けます。自分たちの目標にはあのチームの協力が欠かせないというときにも、公開された全体のOKRをもとに議論できます。自分たちが協力することがOKR達成に有効そうなチームを見かけたらサポートができます。このようなコラボレーションを促す土壌をうむことができます。

最後にフィードバックです。公開していればフィードバックを得られるチャンスが生まれます。このObjectivesはワクワクするね、こういうKey Resultsも考えられるかもよ、あのチームのOKRと関連が強いかもね、などなど。自分たちのOKRへの確信度が高まったり、より洗練させるチャンスになります。

公開は組織の文化と個人の勇気が必要ではありますが、うまくいけばかなり強力です。

なんでもかんでもアラインしなくていい

OKRでは、よく上位のKey Resultsが下位のObjectivesになる、なんて話があります。これは『Measure What Matters』の中でも、すべてを上意下達にしろってことじゃない的な話が出てくる。

過度にアラインメントを押しつけることで従業員の創造力が失われてしまわないように、健全な組織は目標の一部がボトムアップで生まれるように促す。

商品画像

Measure What Matters 伝説のベンチャー投資家がGoogleに教えた成功手法 OKR (メジャー・ホワット・マターズ)

ジョン ドーア(著), 土方 奈美(翻訳)

日本経済新聞出版

個人的には、OKRのアラインメントとは上位レイヤーのOKRに必ず沿わなければならないというものではないと思ってる。合わせたくなったら合わせるものくらい。なので、いかに下位レイヤーか他のチームが合わせたくなるようにするかって話なのだろうなと。それには、ビジョナリーなメッセージングや深い対話、情報の開示などなど、OKRを立てました、以上にやることがあるんだろうな。画一的なルールではせっかくのOKRがつまらなくなってしまうんだろう。

さいごに

ということで、OKRのことをいろいろ調べて自分なりに咀嚼してる。ObjectivesとKey Resultsを目標設定に使うだけでも、かなり価値がありそうですよね。

参考

Different Perspectives