2026年10月26日4min

心理的安全性は自分の内側からも生まれる


「心理的安全性」といえば、そういう場の空気感をマネージャーやリーダー、シニアなメンバーが作らなければならないものと言われることが多いですよね。それはそうなのだけど、それを待つだけでは辛い。心理的安全性は、誰かが整えてくれるのを待つだけではなく、自分の内側から生み出すものでもあると思うのです。

心理的安全性とは?

心理的安全性といえば、的な引用を出しておきます。

心理的安全性とは、大まかに言えば「みんなが気兼ねなく意見を述べることができ、自分らしくいられる文化」のことだ。より具体的に言うなら、職場に心理的安全性があれば皆、恥ずかしい思いをするんじゃないか、仕返しされるんじゃないかといった不安なしに、懸念や間違いを話すことができる。考えを率直に述べても、恥をかくことも無視されることも非難されることもないと確信している。

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心理的安全性とは、対人関係においてリスクある行動を取ったときの結果に対する個人の認知の仕方、つまり、「無知、無能、ネガティブ、邪魔だと思われる可能性のある行動をしても、このチームなら大丈夫だ」と信じられるかどうかを意味します。

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心理的安全性は、場自体の特性ではなく、自分がその場をどう見ているか

上の定義からもわかるように、心理的安全性は「場」自体に宿るものではなく、「その場をどう見ているか」という個人個人の知覚の話です。自分がその場を心理的安全性の高い場だと認識しているかどうかということですね。

みんなが気兼ねなく意見を述べることができ、自分らしくいられる

再引用。「みんな」とは「自分」と「自分以外の一人ひとり」のこと。それが「気兼ねなく意見を述べ、自分らしくいられる」場が心理的安全性の高い場です。

つまり、主観の話です。主観の話なら、誰かが場を整えてくれるのを待たずとも、それぞれでどうにかできるはずですよね。

自己受容と他者貢献

アドラー心理学で、「自己受容」と「他者貢献」という言葉が出てきます。

自己受容は、ありのままの自分を受け入れること。良い部分も悪い部分もまとめて今の自分であることを認めることです。

「自分には価値がある」という「自己肯定感」とも、「自分ならできる」という「自己効力感」とも少し違った感覚です。

この自己受容ができると、

「無知、無能、ネガティブ、邪魔だと思われる可能性のある行動をしても、このチームなら大丈夫だ」と信じられるかどうか

は場の問題ではなくなります。無知、無能、ネガティブ、邪魔だと思われたとしても、それが今の自分なんだなと受け入れることができます。あくまで「今」の話なので、それが嫌なら振る舞いを変えていこうになります。このマインドは、非常に強い(Resilient)です。

「自己受容」は「完璧な人などいない」という考えにも繋がります。今の自分の悪い部分も(今のところは)受け入れることで、他者を受け入れる体制も整えられるように感じます。それは、他者にとってあなたとの場の心理的安全性の高さを感じるきっかけになるかもしれません。

そして、「他者貢献」。自分が他者からどう見られるかよりも、自分がこの場にどう貢献できるかを考えていたほうが効果的です。場に貢献するためには、気兼ねない意見、率直な意見を場に出すことが有効です。

これらの感覚は、特定のチームに完全に左右されるものではありません。自分の中で心理的安全性のベースをつくることができます。自己を受容し、他者への貢献を目指せば、その振る舞いは自ずと心理的安全性の高い振る舞いになります。

心理的安全性は心理的安全性の高い場のような振る舞いをすることで高まる

「チームの中で気兼ねなく意見を言うのが難しい」と言う人に「誰があなたの発言を、無知、無能、ネガティブ、邪魔だと捉えそうですか?」と聞くと、「そんな人はいません」と返ってくることは珍しくありません。そんな人がいないなら心理的安全性の高い場のはずですが、心理的安全性の高い場における振る舞いができていないのです。

この事例を踏まえると、「心理的安全性の高い場では気兼ねなく意見が言える」わけではなく、「気兼ねなく意見を言おうとしなければ気兼ねなく意見は言えない」ということがわかります。

心理的安全性は場の特性ではなく、主観的な感覚だと言いました。攻撃的・高圧的な人がいないなら、あなたから見えている場の心理的安全性を高めるレバーはあなたが握っています。昨日より一段階だけ気兼ねを外して意見を言ってみてください。それに対して無知・無能・ネガティブ・邪魔のような反応が返ってこなければ、あなたの中の心理的安全性は一段階上昇します。明日はもう一段階気兼ねを外してみてください。これは自分から起こさなければならないアクションです。「他者貢献」のマインドで、自分の中の心理的安全性を一段ずつ高めていきましょう。

さいごに

場の心理的安全性を高めるためには、マネージャーやリーダーに期待するだけでなく、自分のマインドセットを入れ替え、少しずつ心理的安全性が高いかのような振る舞いにシフトしていくことが効果的です。特定の場の心理的安全性ではなく、自分から見た世界の心理的安全性を高めていく活動が、どんな場でも効果的に貢献できる自分になるために不可欠なのだと思います。

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